美しい湘南の海と自然豊かな山に囲まれた古都・鎌倉。
歴史ある神社仏閣や落ち着いた街並み、四季折々の風景を楽しめるこの街は何度も足を運びたくなる魅力にあふれています。
源頼朝が幕府を開いて以降、武家文化の中心地となった鎌倉ですが、この地に幕府が開かれるきっかけとなったのが、頼朝公の祖先がお祀りした「鶴岡八幡宮」の存在でした。
今回は、鎌倉の中心地にあり武家文化を支える象徴でもあった鶴岡八幡宮についてご紹介します。
古都・鎌倉のシンボル「鶴岡八幡宮」
ご存じの通り、鎌倉の街は、源頼朝が鎌倉幕府を開いたことで武家社会の中心地となりました。同時に、源氏が深く信仰してきた鶴岡八幡宮は、武家の精神的支柱となると同時に「流鏑馬神事」などを通して武家文化の中心地ともなりました。
鶴岡八幡宮にお祀りされているご祭神、ご由緒等についてご紹介します。
ご祭神
応神天皇（おうじんてんのう）
第15代天皇で弓術の達人、武運や出世開運の神として崇められています。
神功皇后
応神天皇の母であり、亡くなった夫の代理で三韓出征を果たすなど武運に優れた皇后として知られています。
比売神
主祭神に関連した妻や娘、関係の深い女神がお祀りされています。
ご由緒
鶴岡八幡宮の前身は、源頼朝の祖先である源頼義が、京都の石清水八幡宮を勧請（神様の分霊を他の地に還し祀ること）し、源氏の氏神として鎌倉の由比ヶ浜辺にお祀りされたことから始まります。
その後、源頼朝が鎌倉幕府を開いた際に鶴岡八幡宮を現在の地に移されました。
鶴岡八幡宮は、源氏と幕府、広く武家に関わる人々の守護神として篤く崇敬されるようになり、東国社会の精神的、社会的中心となっていきました。
八幡神を祀る神社は、全国に約4万以上あるとされていますが、武家の隆盛に伴いその信仰が広がっていたことが分かります。
ご利益
鶴岡八幡宮の境内には多様な神様がお祀りされているため、お参りすると｢勝負運・仕事運・出世｣、｢安産｣、｢縁結び・良縁｣など様々なご利益が得られます。
全部まわれば、1度の参拝でたくさんのご縁をいただける強力なパワースポットと言えます。
流鏑馬神事
甲冑を身につけた武士が馬で駆けながら弓矢で的を射抜く流鏑馬（やぶさめ）。人馬一体となって走る疾走感と的を射る高度な技術、洗練され合理的な美しさは、武家文化の象徴でもありました。
流鏑馬を神事として取り入れたのが「流鏑馬神事（やぶさめしんじ）」です。流鏑馬神事では、3つの的を討ってその年を占います。
鶴岡八幡宮では、源頼朝が天下泰平・国家安穏を祈願され、鎌倉時代に催されたのが始まりとされています。
年に1度の一大行事として、御家人たちが御神前で弓馬の技を披露する晴れの場でもありました。現在は、毎年9月の例大祭で披露されています。
訪れたい境内の名所
若宮大路・段葛
鶴岡八幡宮の参道である若宮大路は、源頼朝が妻・政子の安産祈願のために造営を始めたと伝えられています。鶴岡八幡宮の社前から由比ヶ浜までまっすぐに通じる道は、現在も鎌倉の目抜き通りの1つです。
その若宮大路には途中3つの鳥居があり、由比ヶ浜側から「一の鳥居」「二の鳥居」「三の鳥居」と呼ばれています。この「二の鳥居」から「三の鳥居」の間に盛り土によって一段高くなっているのが「段葛（だんかずら）」です。
段葛も若宮大路と同じ時期に造営が始まり、源頼朝自身が有力御家人とともに土石を運んで築きあげました。
現在では歩道になっている道の両脇には桜が植えられ、春には花の名所としても知られています。
舞殿
段葛を歩き終え、三の鳥居をくぐり参道を歩くと見えてくるのが舞殿です。
ここは、義経の妻・静御前（しずかごぜん）が、源頼朝に舞を所望された際に、義経を慕う歌を読みながら舞を舞ったという有名な言い伝えが残されています。
本宮
ご祭神がお祀りされている鶴岡八幡宮の中心となる御社殿です。現在国の重要文化財に指定されています。
本宮は境内の中でもひと際高い土地にたてられているため、段葛や若宮大路、遠く海まで鎌倉の街を一望することができます。
本宮の前には、かつて御神木の大銀杏が雄大に枝をのばしていました。かつて鎌倉幕府三大将軍・源実朝を殺害した公暁が待ち伏せのために身を隠していたとの言い伝えも残された立派な大木でした。
残念なことに平成22年3月、暴風によって倒伏してしまいましたが、倒伏した木の側に幹の部分が移植され、新銀杏として育成されています。
現在は、倒伏した大銀杏、新銀杏ともにご神木として大切に育てられています。
鶴岡八幡宮の縁結びスポット
鶴岡八幡宮を訪れたら絶対に訪れたいパワースポットを2つご紹介します。
旗上弁財神社・政子石
源氏池の中にある島には旗上弁財天社が鎮座されています。弁財天は芸時に通じる神様で、芸能・音楽の上達、福徳・開運の御神徳があるとされています。
この神社の背後にあるのが、「政子石」です。源頼朝が妻である北条政子の安産を祈ったとされる石として知られています。
夫婦円満のシンボルでもあり、縁結びや子宝、安産のパワースポットとして人気です。
白旗神社・鶴亀石
北条政子が夫・源頼朝と子・実朝を祀るために創建したとされる白幡神社。
学業成就や必勝に通じ、恋愛を「勝ち取る」ご利益も期待できます。
白幡神社の手前には「鶴亀石」という2つの大きな石が祀られています。
1841年に編纂された「相模国風土記稿」に「水で洗うと鶴亀の模様が浮かび上がる」と書き残された縁起の良い石です。
普段は水で洗うことはできませんが、ただ触れるだけでもパワーがもらえると岩に触れて帰る方も多いそうです。
鶴岡八幡宮で人気のお守りをご紹介！
鶴岡八幡宮のお守りは、境内のシンボルを活かした印象的なものが沢山あります。
鳩鈴守
八幡神のお使いとして愛されてきた鳩の形をしたお守りです。鈴の音が清々しく鳴ります。
縁結び守
房の付いた縁結び守りは、静御前が義経への愛を詠った「しづやしづ しづのをだまきくり返し 昔を今になすよしもがな」という歌に因んだお守りです。
大いちょう絵馬
平成22年に倒伏したご神木の大銀杏。倒木の翌月には新芽が生え、その姿にちなんで銀杏型の絵馬が作られました。「それぞれの願いが空に向かって力強く伸びていくように」と祈願されたお守りです。
鳩みくじ
箱の中に手を入れて自分で引くおみくじ。中には可愛らしい鳩のお守りが入っています。
鶴岡八幡宮では「凶」や「大凶」のおみくじを引いても大丈夫。「凶みくじ収め箱」というものがあり、「凶」「大凶」のおみくじは、結んでこの箱に収め、箱の上にある「強運掴み矢」の矢じりをぎゅっと握ります。
すると「凶」が「強」に変わり「強運」となるとされています。
おもわず、「凶」「大凶」を引いて強運をたぐり寄せたくなりそうなおみくじです。
鶴岡八幡宮へのアクセス・基本情報
鶴岡八幡宮へのアクセスや基本情報をまとめてご紹介します。
所在地・連絡先・受付時間
住所：神奈川県鎌倉市雪ノ下 2-1-31
電話番号：0467-22-0315
受付時間：参拝時間 6:00～21:00（4月～9月は5時開門）
交通機関：JR鎌倉駅東口より徒歩約10分
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まとめ：鶴岡八幡宮にお参りして良縁に巡り合おう
今回は、鎌倉のシンボル「鶴岡八幡宮」をご紹介しました。
鶴岡八幡宮には武士の信仰を支え、武家文化の中心という側面がある一方、源頼朝と政子の変わらない夫婦の強い絆に由来するパワースポットが各所に残されています。
鎌倉には他にも縁結びや良縁のご利益をいただける神社仏閣が点在しています。
鎌倉の豊かな自然を感じながら街歩きを楽しみつつ、良縁成就を祈願してみてはいかがでしょうか。
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